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株式会社を設立した場合、決算終了後に利益が出た場合、その利益を配当金として株主に還元しなくてはなりません。

この株主への配当金の支払いは、株式会社の最も重要な業務の1つということができます。

そこで、以下では、株式会社の設立後の配当金の決め方について、解説します。

 

配当の財源規制について

 

株式会社は、株主に自由に配当金を支払えるのが原則です。

しかし、一定の場合には、法律の規定によって、株式会社は、配当金の全部又は一部を、株主に支払うことができません。

これは、株式会社が自由に配当金を株主に支払えるとした場合、株式会社の資本金を食いつぶしても配当を行うケースが発生し、会社の債権者保護の観点から問題があるからです。

株式会社設立後、配当金を決める場合には、配当に関する会社法上の規制を知り、その制限に引っかからないようにそれを定めなくてはなりません。

 

純資産額が300万円未満の場合について

 

会社法第458条では、純資産額が300万円未満となる場合には、株式会社は配当を行うことができない、と規定しています。

この規定により、株式会社の純資産額が300万円を下回る場合には、たとえ株主総会で総株主の同意があったとしても、会社は株主に配当金を支払うことはできません。

ここで、会社の純資産額とは、会社の総資産から総負債を控除した金額となります。

会社の会計においては、資本金がよく使われる概念ですが、純資産額は、資本金+資本剰余金+利益剰余金+株主資本以外の合計額となります。

株主資本以外とは、あまり聞かない概念でありますが、これは、有価証券の含み益である評価差額等や、新株予約権の評価額等が該当します。

規模の小さい株式会社では、資本金に利益・資本剰余金を加算した額が純資産額はほぼ一致します。

 

分配可能額について

 

会社法では、分配可能額を定めています。

分配可能額とは、配当金として株主に支払うことができる金額のことです。

株式会社は、分配可能額を上回る配当を行うことができませんから、配当金を決定する場合には、必ず、この分配可能額を確認しなくてはなりません。

さて、分配可能額は、その他資本剰余金+その他利益剰余金-自己株式帳簿価額で算定されます。

例えば、ある決算日において、その他資本剰余金が1,000万円、その他利益剰余金が3,000万円、自己株式帳簿価額が500万円の株式会社を想定します。

この会社の分配可能額は、1,000万円+3,000万円-500万円=3,500万円となります。

ちなみに、その他資本剰余金とは、資本剰余金から資本準備金を控除したもの、その他利益剰余金とは、利益剰余金から利益準備金を控除したものになります。

 

配当金のうち一定額は、準備金に計上

 

配当を行った場合には、資本準備金+利益準備金の金額が資本金の1/4にみつるまで、配当した金額の1/10を、資本準備金又は利益準備金に計上しなくてはなりません。

配当する段階で、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の1/4を超えている場合、配当金を支払う段階で、その1/10を、資本準備金や利益準備金に計上する必要はありません。

しかし、そうでない場合には、配当金として支払う金額の1/10は準備金として計上しなくてはなりませんから、配当を決める段階で、このことに留意しなくてはなりません。