Business 2089533 640

株式投資を行う個人が、法人(会社)を設立し、その会社の本業で赤字を出し、それを株式投資で得た利益から控除することで、課税対象となる所得を減らして、税負担を軽減する方法があります。

以下では、この方法について解説します。

法人を通しての株主投資のメリットとはどんなものか

法人を通しての株式投資のメリットとはどのようなものか、ということについて、例を上げて説明します。

ある個人の方(仮にAさんとします。)が、株式投資で1年間に2,000万円の利益を上げたとします。

Aさんは、特定口座を通じて取引を行っているので、源泉徴収される所得税は400万円程度になります。

ここでAさんは、会社を設立し、その会社の事業で赤字を出せば、その赤字と株式投資での黒字(利益)を相殺し、所得税の負担を軽減できるのではないかと考えました。

このように、株式投資で得た利益と、法人を設立してその法人の本業での赤字を相殺し、トータルでの所得税の負担を減らすことができれば、事業主のメリットになります。

これが、法人を通しての(法人を設立して行う)株式投資のメリットとなります。

法人の本業での赤字と株式投資での黒字は相殺できるか

株式を保有していると、配当金を受け取ることができますが、配当金を受け取ると配当所得が発生します。

配当所得に対しては、20%の所得税がかかります。

この配当所得は、事業所得の赤字分と相殺することはできません。

株式を売買して利益を得た場合には、その利益に対して譲渡所得に該当し、国と地方税合わせて20%の税率で譲渡所得税が課税されます。

この譲渡所得は、事業所得との赤字分と相殺できます。

個人の場合には、事業を行ないつつ株式投資を行って利益を得た場合、株式で得た利益が配当所得の場合は、事業の赤字と相殺できますが、譲渡所得の場合は相殺できません。

一方、法人を設立すると、個人事業主であった時の事業所得が営業利益となり、株式投資で得た利益は、配当であれ譲渡益であれ、営業外利益となります。

よって、法人を設立した場合には、株式投資で得た利益は、配当であれ譲渡益であれ、すべて、本業(事業)で発生した赤字と相殺することができます。

法人を通しての株主投資の注意点

個人で株式投資を行う方が、節税のために会社を設立する場合には、株式投資で得た利益から本業の赤字を控除した課税対象となる利益の金額が少ないことが要件となります。

法人を設立した場合には、法人所得税、法人住民税、法人事業税が課税され、その実効税率は約30%となります。

株式投資で得た利益に係る税率は、譲渡益にせよ配当によるものにせよ、約20%です。

よって、法人化で、課税対象となる所得を大きく減らせる場合には、法人化で税負担を減らせますが、それを少ししか減らせない場合には、法人化で税負担はかえって増えます。

こういったことがあるので、株式投資を行う個人の方が法人を設立して税の負担を軽減しようとする場合には、税の専門家である税理士に相談してみるとよいでしょう。