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家族経営の事業者であれば、会社を設立することで、相続税を負担することなく、実質的に、親から子へ、親の死亡を原因として、財産を譲渡することができます。

そこで、以下では、このように、会社を設立することで、相続税を節税する方法について解説します。

法人には相続税が課税されない

個人が亡くなった場合、その個人が所有していた財産に関する権利は、その個人の一定の範囲になる遺族に移転します。

その移転した財産の価額に応じて、相続税が課税され、相続によって財産を取得した者には、相続税の支払い義務が生じます。

一方、法人には、相続税が課税されません。

例えば、家族経営の会社(法人)のような場合、会社の代表者(父親)がなくなってその子どもが、法人の代表者に就任した場合を考えてみます。

このケースでは、表面上は法人の代表者が交代しただけですが、実質的には、父親の財産が、その死亡を原因として、その子供に譲渡されたことになります。

しかし、法人には相続税が課税されないので、会社の代表者が死亡して、その子が代表者に就任し、実質的な相続があった場合でも、税金はかからないことになります。

会社設立で相続税の節税ができるのは家族経営の場合

大企業のように、法人の財産と経営者の私的な財産が完全に分離されているような場合には、このようなことは起こりません。

一方、家族経営の会社では、法人財産と経営者の個人の財産が一体となっているため、法人代表者の交替が、相続による名義人の変更とほぼ同じ効果を持ちます。

すると、会社(法人)代表者の名義を死亡した父親からその息子に変更すれば、実質的に、相続税を払うことなく、父から子へ私的な財産を相続させたのと同じことになります。

大企業の場合には、会社の財産と、経営者個人の財産は全く別物です。

この場合、会社の代表者を、亡くなった父からその子供に変更しても、父の私的な財産をその子供に譲渡するような効果は生じません。

このケースでは、会社を設立して相続税を節税する方法は、全く意味を持たないことになります。

会社設立を相続税対策に使う場合の注意点について

家族経営の場合には、会社を設立する相続税対策は効果があります。

完全な家族経営の場合、すなわち、父と母とその子供のみによって事業が営まれている場合には、会社を設立して行う相続税対策で特に注意すべき点はありません。

しかし、少しでも会社に家族以外の者が関与する場合、代表者の交替後、亡くなった代表者の子が、家族以外の者に経営権を奪われることがないように、注意する必要があります。

もし、代表者の交替後、新しく代表者となった元代表者の子が、家族以外の者によって代表者の地位を奪われた場合、実質的に、元代表者の財産が家族以外の者の所有となります。

そうすると、会社を設立して相続税の負担を逃れたことはよかったけれども、実質的に、相続財産を他人に奪われることになり、結局は、大損をすることになります。