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事業の承継は、社長さんにとって頭の痛い問題です。

事業承継がうまくいかないと、会社の経営が急に失速したりすることもあります。

ところで、設立した会社を子供に事業承継させる場合には、お金がかかるのでしょうか。

以下で解説します。

会社の事業承継には相続税は課税されない

会社などの法人には相続税がかかりません。

従って、同族会社などが、代表取締役を父親から息子に譲る場合には、相続税が課税されないので、基本的には、事業承継にお金がかからないことになります。

家族経営の個人事業主が経営形態を変えないで会社を設立した場合には、個人の財産と法人の財産に区分がありません。

その場合には、個人の財産の名義を法人名義に変えておくと、相続税を負担することなく、実質的に、財産を親から子へ移転することができます。

ただし、あくまで、会社の代表者の地位を受け継いだだけなので、会社の財産を譲り受けた者が、譲り受けた財産を自分の自由にしてよいというわけではありません。

株式会社が、この方法で事業譲渡をした場合、社長の一族が株主の議決権の過半数を確保できない場合、社長の息子が代表取締役の地位を途中で失うこともあります。

社長個人の財産を子供に譲る場合には贈与税がかかる

事業承継のために、会社の代表者を父親から息子に譲る際に、それに合わせて、社長個人の財産(金銭や有価証券等)を、息子に譲る場合があります。

この場合には、贈与税が課税されます。

贈与税の税率には、20歳以上の直系卑属(子や孫など)に対する贈与に課税される一般贈与財産用税率と、それ以外の贈与に課税される特定贈与財産用税率の2種類があります。

事業譲渡に伴う個人財産の贈与の場合、父親が成人した子に贈与するケースが多くなりますから、特定贈与財産用税率が適用されます。

この税率は、贈与財産の価額が200万円以下の10%、同価額が4,500万円超の55%まで8段階で定められていますが、贈与財産の価額が高額になるほど、税率が高くなります。

会社の事業承継にともなって、社長の個人財産を息子に譲渡する場合には、贈与税がかかりますが、この贈与税の支払いのために当てる金額が事業承継に係るお金になります。

具体的な例として、事業承継に当たり、事業資金に不足が生じた場合に備えて、贈与税評価額が6,000万円の社長個人名義の土地を20歳以上の息子に譲渡します。

その際の贈与税の金額は、6,000万円から基礎控除額640万円を差引くと、5,360万円ですが、これに税率である55%を乗じると、2,948万円となります。

この2,948万円が、この事業譲渡にかかるお金となります。

相続が原因で事業承継を行う場合に必要なお金について

社長が亡くなった後に、事業承継を行う場合についてですが、この場合、事業承継に伴う法人名義の財産の移転については、相続税が課税されませんので、お金は不要です。

しかし、社長個人の財産を、息子に相続させる場合には、相続税が課税されるので、その相続税に相当する金額が、事業承継に必要なお金となります。

被相続人が事業用に供していた宅地を、相続人が相続して、その土地で事業を継続する場合には、相続税を軽減する特例(小規模宅地等の特例)が利用できます。