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労働者が、1日8時間、1週間に40時間の法定労働時間を超えて労働した場合、残業手当を支払わなくてはならないのが原則です。

では、社長や管理職が、法定労働時間を超えて労働をした場合には残業手当を支払う必要はあるのでしょうか?

以下で解説します。

法定労働時間を超える労働に対しては残業手当がつく

労働基準法が定める法定労働時間は、1日8時間、週40時間となっています。

原則として、1日8時間超又は1週間40時間超の労働をした場合には、その労働時間に対して、本来の賃金に加え賃金額の25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

例えば、1時間当たりの賃金が1,500円の方が1日9時間労働した場合、法定時間を超える労働時間は1時間です。

この超過時間分については、本来の1時間当たりの賃金1,500円に加え、1,500円×25%=375円の残業手当が出るので、超過1時間分として支払われる賃金は、1,500円+375円=1,875円になります。

社長や管理職には残業手当は出ません

労働基準法第41条1項2号では、労働時間、休憩及び休日に関する規定は、事業の種類に関わらず、監督若しくは管理の地位にあるものには適用しないと規定しています。

残業手当の規定は労働時間に関する規定に含まれますので、上記の規定によって、社長や管理職等の監督若しくは管理の地位にある者には残業手当は支給されません。

社長は給料を支払う側ですし、また、自分で自分の給与を自由に設定できますから、残業をしても残業手当が支払われないというのは、当たり前とも言えます。

工場長や部長等の監督若しくは管理の地位にある者は、会社から給料を支払われる側ですから、残業をすれば残業手当が出て当然という気もします。

しかし、労働基準法第41条1項2号の規定によって、残業代は出ません。

監督若しくは管理の地位にある人には管理職手当が支給されますので、残業手当はこの管理職手当に含まれていると解釈されています。

名ばかり管理職について

一時「名ばかり管理職」という言葉が流行しました。

これは、管理職としての実体がない、入社して間もない若い社員に管理職の役職を与え、労働基準法の労働時間に関する規定の適用除外にすることが目的です。

月100時間を超えるような残業をさせても残業手当を支払わず、代わりに、本来の残業手当と比べて非常に低額な管理職手当を支給している問題のことを指します。

会社の経営者の方が管理職に残業代を支払う必要があるか否かを判断する場合、対象者が本当に監督若しくは管理に地位にあるかどうかをよく見極めなくてはなりません。

残業代を支払わなくてもよい管理監督者の条件とは

監督若しくは管理の地位にある者として、労働基準法に定める労働時間の規定が除外できる管理職は、以下の要件を満たしている必要があります。

①経営者と一体の立場にあり、企業全体の経営に関与していること
②採用や、部下に対する人事考課などの権限を持っていること
③出退勤について、管理を受けていないこと
④賃金面で、その地位にふさわしい待遇を受けていること