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アメリカは世界最大の経済大国なので、その通貨であるドルで資金調達を行ってみたいとお考えになられる方もいらっしゃると思います。

そこで、以下では、ドルで資金調達を行う場合の問題点などについて解説します。

 

ドルを使った資金調達は簡単にできるのか

日本円での資金調達が困難な場合や、資金調達は不可能ではないが金利が高すぎて困っているといったような場合、ドルで資金調達する方法が思い浮かびます。

しかし、想像するだけでも予想は付くと思いますが、ドルで資金調達する方法が日本円で行うよりも簡単だということはありません。

ドルで資金調達を行うケースは、ドルで資金調達を行うのは大変だけれども、日本よりも金利が安いので、費用削減のためにやむを得ずに行う場合が多いのです。

 

ドルを使った資金調達を行うと為替リスクが発生する

ドルで資金調達を行った場合、為替リスクが発生します。

例えば、ある年の1月1日に米国で100万ドルの資金調達を行い、同じ年の6月30日に返済する契約を締結したとします。

借入時の為替レートが1ドル=100円だとすると、調達したドル資金は1億円となります。

一方、返済時に為替レートが円安に動いていて、1ドル=120円となっている場合、ドルを借りた者は1億2千万円払って100万ドルを購入し、返済しなくてはなりません。

この取引でドル建てで資金調達を行った者は、2千万円の損失(為替差損)を被ったことになります。

ドルで資金調達を行うと、このような為替リスクを負うことになります。

借入時よりも返済時の方が円高に振れていると、逆に利益(為替差益)が出ますが、資金融通はギャンブルではないので、為替差益も為替差損もどちらとも迷惑な存在です。

 

ドルを使った資金調達を行うと為替手数料が発生する

ドルで資金を調達した場合、為替手数料を取られます。

為替手数料は、2017年10月現在、楽天銀行の場合1ドルにつき25銭、みずほ銀行の場合1ドルにつき1円となっています。

楽天銀行で100万ドルを日本円に変えた場合、手数料が約250,000円かかり、みずほ銀行で100万ドルを日本円に変えた場合、手数料が約100万円必要です。

為替手数料は、借入時と返済時と2回必要となりますので、ドルによる資金調達の場合には、上記の2倍の手数料が必要になります。

 

ドルを使った資金調達を行うと送金手数料が発生する

ドルによる資金調達を行った場合、資金を借り入れたアメリカの銀行等から、日本の銀行等にある借入者の口座に、ドルを送金する必要があります。

国際送金の手数料の相場は、送金額の10%程度と言われています。

三井住友銀行で、1万ドルを日本から米国に送った場合には、8,500円の送金手数料が取られます。

この比率で計算すると、100万ドルを日本から米国に送れば、850,000円の手数料が必要になります。(実際には、高額取引割引が適用されてもう少し低くなるかもしれません。)

 

ドル建て資金調達は、日本円での資金調達に比べてより難しい

このように、ドル建てで資金調達を行なった場合には、日本円で資金調達を行った場合には必要ない様々な手数料が発生します。

しかもお金だけでなく、それに伴う面倒な手続きも必要になります。

このように、ドル建てによる資金調達が、日本円の資金調達より簡単にできるということはあり得ません。

ドル建て資金調達を行うのは、ドル建ての資金調達をすることで日本円で調達するよりメリットが大きく、手続きの煩雑さや費用面でのマイナスを補っても、余りがある場合に限られます。