Percentage 1924521 640

法人に課税される法人税の負担の正確な水準を知るための重要な指標として、法人税の実効税率があります。

そこで、以下では、この法人税の実効税率について解説するとともに、その国際比較を行います。

法人税の実効税率とは

法人所得に課税される法人税には、法人所得税、法人住民税の所得割、法人事業税の3つの税金があり、この3税には、それぞれ税率が定められています。

そこで、法人所得額に、法人所得税、法人住民税、法人事業税の3つの税率を合計した税率を乗じると、法人所得全体に課税される法人税の金額が明らかになる気もします。

しかし、実際には、そのようになりません。

法人税率が所得税率、住民税率、事業税率の和にならない理由

その理由の1つ目は、法人所得税及び法人事業税の課税標準は法人所得ですが、法人住民税の課税標準は、法人所得額ではなく、法人所得税額であるということです。

2つ目は、法人事業税は、支払事業年度の課税所得算定上、損金(必要経費)扱いが認められているということです。

こられの理由によって、法人税率は、法人所得税率、法人住民税率、法人事業税率の単純な和になりません。

そこで、法人に課税される法人税の正確な負担を表示する指標が必要になるわけですが、それが、法人税の実効税率になります。

法人税の実効税率の計算式

法人税実効税率の計算式は、法人住民税と、法人所得税・法人事業税の課税標準が異なる点と、事業税が支払年度の必要経費に算入できることを考慮し、以下のとおりとなります。

法人税実効税率=[法人所得税率×(1+法人住民税率)+法人事業税率]÷(1+法人事業税率)

例えば、法人所得税率を30%、法人住民税率を17%、法人事業税率を9%とします。

この3つの税率の単純合計は56%となります。

しかし、実効税率を計算すると、[0.3×(1+0.17)+0.09]÷(1+0.09)=約40.4%となります。

法人税の実効税率の国際比較

日本の法人税の実効税率は、2016年4月現在、29.97%となっています。

同時点での世界各国の法人税の実効税率は以下のとおりとなっています。

(1) アメリカ 40.75%
(2) フランス 33.33%
(3) ドイツ  29.72%
(4) 中国   25.00%
(5) 韓国   24.20%
(6) イギリス 20.00%
(7) シンガポール 17.00%

平成24年の日本の法人税の実効税率は、37.00%と、他の国と比較して非常に高い水準でした。

しかし、その後、段階的にそれは引き下げられ、現在では、先進国の中では低い水準となっています。

日本の法人税の実効税率は、今後、さらに引き下げられ、平成30年には29.74%になることが予定されています。