Euro 870757 640 (1)

事業者の方にとってなじみの深い金融機関の1つに、日本政策金融公庫があります。

そして、この公庫の融資は、大別すると、基本的な融資である普通貸付と、融資条件が普通貸付よりも優遇されている特別貸付の2種類に分けられます。

そこで、以下では、後者の特別貸付の概略について解説します。

特別貸付とは

日本政策金融公庫では、ほとんどすべての業種の中小企業の方が利用できる普通貸付という融資があります。

事業者の方が普通に公庫から融資を受ける場合には、この普通貸付を利用するのが一般的です。

しかし、日本政策金融公庫は、一定の要件を満たした場合には、普通貸付よりもより有利な条件で資金を借入できる複数の特別貸付という制度も設けています。

この特別貸付には、非常に多くの種類がありますが、そのうち代表的なものを表示すると、以下のようになります。

1. 生活衛生貸付
2. 新規開業資金
3. セーフティネット貸付
4. 小規模事業者経営改善資金
5. 企業再建資金

生活衛生貸付とは

生活衛生貸付とは、飲食、喫茶店、公衆浴場業、旅館業、興行場営業、クリーニング業等を営む方が利用できる制度です。

生活衛生貸付の融資限度額は、次のとおりです。

1. 飲食業、喫茶店営業等 7,200万円
2. 一般公衆浴場業    3億円以上
3. 旅館業        4億円
4. 興行場営業      2億円
5. クリーニング業    1億2千万円

生活衛生貸付の返済期間はすべて13年以内で、据置期間は1年間、返済期間が7年以上の場合には2年間となっています。

生活衛生貸付の金利は、原則として、返済期間に応じ1.81%~2.2%(無担保の場合)となりますが、以下に該当する場合には、特例金利が適用されます。

(a) 融資申請者が、次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画を都道府県労働局長に提出している場合等
返済期間に応じ無担保で1.41%~1.8%
(b) 融資申請者が、次世代育成支援対策推進法の「くるみんマーク」認定を受けている場合等
返済期間に応じ無担保で1.16%~1.55%

新規開業資金とは

新規開業資金とは、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が利用できる融資です。

新規開業資金の融資限度額は、7,200万円(そのうち、運転資金については4,800万円まで)です。

返済期間は、設備資金が20年以内(据置期間2年以内)、運転資金が7年以内(据置期間1年以内)です。

新規開業資金の金利は、原則として、返済期間に応じ2.16%~2.55%ですが、次の要件を満たした場合には、より安い特例金利が適用されます。
(a) (独)中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けた事業者が申請する場合
返済期間に応じ1.76%~2.15%
(b)  一定の要件を満たした商店街の空き店舗において行う事業に必要な設備資金や運転資金
返済期間に応じ1.51%~1.9%
(c)  技術やノウハウ等に新規性が認められる一定の事業に必要な設備資金や運転資金
返済期間に応じ1.26%~1.65%

セーフティネット貸付とは

セーフティネット貸付にはいくつかありますが、ここでは、そのうちの経営環境変化対応資金について解説します。

経営環境変化対応資金は、売上げが減少するなど、業績が悪化している事業主の方が利用できる融資です。

この経営環境変化対応資金の融資限度額は4,800万円となっています。

また、この資金の返済期間は、設備資金として借入した場合には15年以内(うち据置期間3年以内)、運転資金として借入した場合には8年以内(うち据置期間3年以内)です。

この資金の金利は、無担保の場合、返済期間に応じて1.18%~2.2%が原則となりますが、以下の要件を満たした場合には、より低い特例金利が適用されます。
(a) 雇用の維持または雇用の拡大を図る場合
返済期間に応じ無担保で1.61%~1.66%
(b) 借入金額が大きく、経営改善の必要性が高く、かつ、日本政策金融公庫等の経営指導を受けた事業計画書を策定している場合
返済期間に応じ無担保で1.61%~1.66%
(c) (a)(b)の要件の双方を満たしている場合
返済期間にかかわらず無担保で1.41%

小規模事業者経営改善資金について

小規模事業者経営改善資金(別名「マル経融資」)は、商工会議所や商工会の経営指導を受けている小規模事業者の方が利用可能な融資です。

このマル経融資の融資限度額は、2,000万円となっています。

返済期間は、運転資金が7年以内(据置期間1年以内)、設備資金が10年以内(据置期間が2年以内)です。

金利は、返済期間に関わらず1.16%となっています。

小規模事業者経営改善資金は無担保・無保証で融資を受けることが可能ですが、融資を受けるには、商工会議所又は商工会の推薦が必要です。

企業再建資金とは

中小企業再生支援協議会の関与や民事再生法に基づく再生計画によって企業再建を図る方が利用可能な融資です。

この資金の融資限度額は、7,200万円(内、運転資金が4,800万円)です。

返済期間は、設備資金が20年以内(据置期間2年以内)、運転資金が15年以内(据置期間が2年以内)となっています。

金利については、以下のようになっています。
(a) 中小企業再生支援協議会等の関与を受けて企業の再建を図る場合
返済期間に応じ無担保で1.81%~2.2%
(b) 産業競争力強化法に基づく中小企業承継事業再生計画に従って再建をはかる場合
返済期間に応じ無担保で0.91%~1.3%
(c) 取引銀行等の民間金融機関の支援を受けて再建を図る場合
返済期間に応じ無担保で1.81%~2.2%
(d) 民事再生法に基づく再生計画の認可を受けている場合
返済期間に応じ無担保で2.61%~2.8%
(e) 認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を利用して経営改善に取り組んでいる場合等
返済期間に応じ無担保で1.41%~1.8%