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平成27年9月30日に施行された改正労働者派遣法によって、人材派遣業が再び注目されるようになりました。

そこで、以下では、人材派遣会社を設立する手続きや、それに必要なものについて解説します。

人材派遣会社の設立手続きについて

人材派遣業を行うには、人材派遣業の許可が必ず必要になります。

また、人材派遣業の許可は、個人でも申請することが可能ですが、人材会社で起業する場合には、派遣業許可の他に、会社設立の手続きも必要になります。

従って、人材派遣会社を設立する場合には、人材派遣業の許可申請と会社設立の2つの手続きが必要になります。

会社設立手続きについて

人材派遣会社を設立する場合、まず、先に会社設立を行って、その後に法人(会社)名義で人材派遣業の許可申請を行います。

さて、会社法上の会社には、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4つの形態が存在しますが、最初に、どの形態の会社にするか決めます。

その際、他人からお金を集めて会社を設立する場合には株式・合同会社、事業主及び事業主の親族のみの資金で起業する場合には、合資・合名会社が適しています。

設立する会社の形態が決まったら、会社設立登記を行います。

なお、通常の会社を設立する場合には、資本金や出資金に関する規制がありませんので、資本金や出資金が1円でも会社を設立することができます。

しかし、人材派遣会社を設立する場合には、資本金等(総資産-総負債)が事業所数に1,000万円を乗じた金額以上にする必要があります。

それは、人材派遣業の許可基準に、資本金等の金額が、事業所数に1,000万円を乗じた金額以上でなくてはならないというものがあるからです。

人材派遣業許可の手続きについて

会社設立登記が完了したら、次に、法人名義で人材派遣業許可申請を行います。

さて、この申請には、以下の書面が必要になります。

1. 労働者派遣業許可申請書
2. 労働者派遣事業計画書
3. 会社の定款
4. 登記事項証明書
5. 役員の住民票
6. 事業所の財政的な基礎を書面
7. 個人情報適正管理規程ほか

なお、許可手数料として、120,000円+(55,000円×事業所数)、登録免許税として90,000円が必要になります。

なお、許可を受けるにあたっては、以下のような基準を満たす必要があります。

(1) 事業が、特定の者に提供することを目的として行われるものでないこと
(2) 派遣元責任者について以下の基準を満たしていること
(3) 役員について以下の基準を満たしていること
(4) 教育訓練について一定の基準を満たしていること
(5) 個人情報の適正管理について一定の基準を満たしていること
(6) 適正な運営について一定の基準を満たしていること
(7) 事業所面積が20㎡以上で、適切な場所に所在すること
(8) 純資産額が1,000万円×事業所数以上であること.

(2)の派遣元責任者に関する基準は、以下のとおりです。
(a) 未成年者でないこと
(b) 住所不定者でないこと
(c) 健康であること
(d) 不当に他人の精神、身体、自由を拘束するおそれのない者
(e) 公衆衛生や公衆道徳上、有害な業務に労働者を派遣するおそれのない者
(f) 名義借りを行う者でないこと
(g) 3年以上の雇用管理の経験を有する者であること
(h) 派遣元責任者講習を受講し、かつ、受講後3年以内の者であること

(3)の役員についての基準は、以下のとおりです。
(a) 従業員を社会保険、労働保険に加入させていること
(b) 不当に他人の精神、身体、自由を拘束するおそれのない者
(c) 公衆衛生や公衆道徳上、有害な業務に労働者を派遣するおそれのない者
(f) 派遣元責任者の名義借りを行う者でないこと

人材派遣会社を起こす際の注意点について

人材派遣業の許可を受けるためには、派遣元責任者を必ずおかなくてはなりません。

そして、派遣元責任者は、派遣元責任者講習を必ず受講する必要があります。

しかし、派遣元責任者講習は、年に数回しか開催されないので、予約が取れにくい場合には、受講まで数カ月の期間を要することがあります。

従って、人材派遣会社を設立する場合には、一番最初に、派遣元責任者講習の予約を入れておくと、その後の手続きの流れがスムーズに進みます。

この派遣元責任者講習は、個人でも受講可能ですし、受講後、3年間は有効なので、会社設立前に受講しても何の問題もありません。