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事業の規模が大きくなり、消費税の課税売上高が毎年1,000万円を超えてくると、消費税の課税事業者となり、消費税の納税が必要になります。

そこで、以下では、消費税の課税事業者となった場合に必要な、消費税の計算方法について解説します。

消費税の課税事業者とは

事業を営むものであれば、常に消費税の納税義務者となるわけではありません。

消費税の納税義務者は、原則として、課税事業年(度)の2年前又は2期前の消費税課税売上高が1,000万円を超えた個人事業主又は法人となります。

従って、事業を営まない個人の場合には、商店やスーパーのレジの店頭で消費税を支払うことはあっても、税務署に対して消費税の確定申告を行い、消費税を納税する必要がありません。

また、事業主でも、事業規模が小さく、売上高が1,000万円に届かないような個人事業主又は法人も、消費税の納税義務はありません。

消費税の税額の基本的な計算方法について

税務署に納税すべき消費税額を計算する場合には、まず、消費税課税売上高と、消費税課税売上高を算定します。

そして、消費税課税売上高から消費税課税仕入高を控除し、その残額に対して消費税率(現在は8%)を乗じて、その税額を計算します。

消費税の課税取引について

消費税には課税対象取引がありますが、それは、次の4つの要件を満たす取引となります。
@国内において行うものであること
A事業者が事業として行うものであること
B対価を得て行うものであること
C資産の譲渡、資産の貸付、サービスの提供に係るものであること

なお、消費税の課税取引の要件として国内において行うものであるという要件があるため、外国に対して商品を輸出して得た対価には消費税は課税されません。このことを、輸出免税といいます。

消費税の非課税取引について

消費税には、非課税取引があり、上記の4つの要件を満たす取引であっても、非課税取引に該当する場合には、消費税の課税対象とはなりません。

そして、具体的な非課税取引には、次のようなものがあります。
1. 土地の譲渡及び貸付
2. 有価証券や貸付金、売掛金等の譲渡
3. 利子を対価とする資金の貸付等
4. 郵便切手、印紙の譲渡
5. 商品、プリペイドカード等の譲渡
6. 国、地方公共団体の行政手数料
7. 外国為替
8. 社会保険医療
9. 介護保険サービス
10. 社会福祉事業
11. 助産サービス
12. 埋葬料、火葬料
13. 身体障害者用物品の譲渡
14. 学校などの授業料、入学金
15. 教育図書の譲渡
16. 住宅の貸付

実際に消費税課税売上高や仕入高を計算する際には、上記の非課税取引や免税取引を含めないようにしなくてはなりません。

そのために、集計の際には、1つ1つの取引について、その取引が消費税課税取引になるのか、非課税取引になるのかを確認しなくてはなりません。

消費税計算の具体例について

例えば、ある事業者の課税期間(個人事業主の場合には1月1日から12月31日まで、法人の場合には1事業年度)の課税消費税課税売上高が2,000万円、課税仕入れ高が1,500万円だとすると、消費税額は2,000万円−1,500万円×8%=40万円となります。

消費税の税率について

消費税の税率は、消費税が初めて導入された1989年4月には3%でしたが、1997年4月には5%に、2014年4月には8%に徐々に引き上げられています。

そして、近い将来、その税率は10%に引き上げられる予定です。

ちなみに、現在の消費税率8%は、国税である消費税と地方税である地方消費税を合わせた税率となります。

その割合は、消費税が6.3%、地方消費税が1.7%の合計8%となっています。

なお、将来消費税率が10%に引き上げられた場合には、消費税が7.2%、地方消費税が2.2%の合計10%となる予定です。

消費税の簡易課税制度

消費税には簡易課税制度が設けられています。

これは、課税期間(課税事業年又は課税事業年度)の課税売上高が5,000万円以下の課税事業者が採用できる制度で、課税消費税売上高に、あらかじめ事業の種類に応じて定められた一定の率を乗じた価額を、課税仕入高として、消費税額を計算する方法です。

上記のあらかじめ事業の種類に応じて定められた一定の率のことをみなし仕入れ率といいますが、これは、以下のように設定されています。
第1種事業(卸売業)   90%
第2種事業(小売業)   80%
第3種事業(製造業等)  70%
第4種事業(その他)   60%
第5種事業(サービス業等)50%

例えば、卸売業に属する課税期間の消費税課税売上高が3,000万円の消費税課税事業者が簡易課税制度を採用した場合には、課税仕入高は3,000万円×0.9=2,700万円となりますから、この事業者が支払う消費税額は、(3,000万円−2,700万円)×8%=24万円となります。