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優先株式とは、他の株式よりも、利益の配当又は残余財産の分配及びその双方を、優先的に受けることができる株式このことをいいます。

そこで、以下では、この優先株式について解説します。

優先株式、普通株式、劣後株式について

例えば、ある株式会社の標準的な株式は、1年間で1株当たり100円の配当を受けることができるとします。

一方、この会社には、上記の株式の他、1年間で1株当たり200円の配当を受けることができる株式と、1年間に1株当たり50円の配当を受けることができる株式があるとします。

この場合、1年間に200円/株を受けることができる株式を優先株、同じく100円/1株を受けることができる株式を普通株、50円/1株を受けることができる株式を劣後株といいます。

また、会社が解散して清算をした場合、優先的に清算後の会社の残余財産から分配を受ける権利を有する株式と、残余財産から分配を受けることができない株式を設定できます。

この場合も、残余財産から優先的に分配を受ける権利を有する株式を優先株、残余財産から分配を受けることができない株式を普通株式又は劣後株式といいます。

無議決権株式と優先株式について

株式は、株式会社の株主総会で議決権を行使できる権利を有していることが一般的であり、したがって、株主は、総会で議決権を行使できます。

しかし、会社は、定款で定めることによって、株式の一部を、議決権を行使できる権利のない株式とすることができ、そのような株式を無議決権株式といいます。

配当に関して優先権を持つ優先株式を上記の無議決権株式として発行した場合には、当該株式発行による資金調達は、社債を発行して資金調達を行うことに非常に近くなります。

その理由は、当該株式を発行しても、会社の支配関係(大株主の議決権持ち分)に変動を及ぼさないためです。

その意味で、配当優先無議決権株式の発行による資金調達は、エクイティ・ファイナンス(新株発行による資金調達)ではないということができます。

ベンチャ―企業と残余財産分配請求権の優先株式について

ベンチャ―企業は、残余財産分配請求権優先株式(以下、当該優先株式という)をよく発行します。

企業が倒産したような場合に、債権者に対して清算を行い、その後の残余財産については、株主に分配することになります。

この分配において、普通株式に優先して、より多くの分配金を受けることができる株式が当該優先株式です。

当該優先株式は、リスクの多いベンチャ―企業が倒産した場合でも、株主は優先して投資額の回収を図ることがでます。

また、当該優先株式の会社財産に対する持分は、普通株式と比較して大きくなる傾向があります。

上記の理由から、ベンチャ―・キャピタル(ベンチャー企業に対する投資家)の投資を呼び込むために、ベンチャー企業はよく当該優先株式を発行します。

なお、ほとんどのベンチャー企業は、ベンチャー企業が運用よく株式市場に上場を果たした場合には、当該優先株式を普通株式に転換する旨の定めを設けています。

ストック・オプション(新株予約権)について

ベンチャー企業は、発行する株式にストック・オプションを付与することがよくあります。

ストック・オプションとは、あらかじめ決められた価額で株式を購入できる権利(新株予約権)のことをいいます。

よって、株価が上昇したときにストック・オプションを行使して株式を購入し、購入と同時に売却すれば、行使価格と株式の時価の差額の利益を獲得できます。

ストック・オプションを付与された株式も優先株式の一種と考えられ、ベンチャー企業に投資を呼び込む際に利用されます。

また、ストック・オプションを既存の株主に優先して付与しておけば、株価の上昇する局面で、新参の投資家が株式を購入して利益を上げるフリーライドを防ぐことができます。