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株式会社等の法人の場合、法人税の確定申告のために、決算で確定した利益から、法人所得額を導かなくてはなりません。

そして、この手続きのことを申告調整といいます。

以下では、この申告調整について解説します。

申告調整とは

株式会社等の法人は、毎年その法人の1事業期間の営業成績を表示する損益計算書を作成します。

損益計算書は、会社の経営方針を定める場合の重要な資料となり、また、株主に対して会社の経営状態を説明する際にも利用されます。

また、銀行から融資を受ける際にも、銀行に対して会社の債務返済能力の表示するためや、投資家に対して出資を勧誘するための資料としても利用されます。

そして、法人が法人税を支払う際にも、この損益計算書はその計算の基礎として利用されます。

ただし、損益計算書上の当期純利益と、法人税の課税標準である法人所得は、法人収入から必要経費を差し引いて計算するという点では共通ですが、その計算上のルールが若干異なります。

そのため、当期純利益=法人所得とはならならず、法人所得は当期純利益に一定の修正を加えて計算します。

このように、損益計算書上の当期純利益から、会計と税法のルールの相違に基づく調整を行い、法人税の課税標準となる法人所得を計算することを、申告調整といいます。

申告調整の具体的な手続きについて

損益計算書上の当期純利益と法人税の課税標準である法人所得が何故異なるのかというと、その理由は、次のような項目が存在するからです。

㈰会社の利益計算では経費となるが、法人税の計算では経費(損金)とならないもの
㈪会社の利益計算では経費とならないが、法人税の計算では経費(損金)となるもの
㈫会社の利益計算では利益となるが、法人税の計算では利益(益金)とならないもの
㈬会社の利益計算では利益とならないが、法人税の計算では利益(益金)となるもの

㈰を損金不算入
㈪を損金算入
㈫を益金不算入
㈬を益金算入といいます。

申告調整の具体的な手続きは、損益計算書上の当期純利益に、㈰損金不算入と㈬益金算入をプラスし、㈪損金算入と㈫益金不算入をマイナスすることで、法人所得を算出することになります。

申告調整の調整項目の内容について

㈰の損金不算入には、一定の限度額を超えた交際費や減価償却費、法人税や住民税の納税額等が該当します。

㈪の損金算入には、繰越欠損金控除等が該当します。

㈫の益金不算入には法人税や住民税の還付金が該当します。㈬の益金算入には、貸倒引当金の取崩益等が該当します。

申告調整の項目の中では、㈰の損金不算入が、損益計算書上の当期純利益と税法上の法人所得が違ってくる最大の原因となります。

よって、申告調整の中で最も重要な項目は、損金不算入ということになります。

申告調整の計算例について

例えば、A社のある事業期間の損益計算書上の当期純利益が1,000万円だったとします。

その事業期間のA社の損金不算入の金額が100万円、損金算入の金額が20万円、益金不算入の金額が10万円、益金算入の金額が30万円だったとします。

このA社が申告調整は、A社の当期純利益(1,000万円)+損金不算入(100万円)+益金算入(30万円)−損金算入(20万円)−益金不算入(10万円)=法人所得(1,100万円)となります。