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購入した棚卸資産の取得価額は、その購入代金の他、これを消費し、又は販売の用に供するために直接要した費用を含むのが原則です。

しかし、一定の費用については、取得価額に含めないで、支出した事業年(度)の経費にとすることができます。

以下では、棚卸資産の取得価額について解説します。

棚卸資産の評価とは

棚卸資産とは、販売目的で所有している資産のことを言い、商品、製品の原材料や半製品、完成品等の在庫がこれに該当します。

そして、税法上の所得を計算する際には、この棚卸資産の評価が必要になります。

決算整理の際に、売上原価の計算が必要になります。

その計算は、当期の仕入費用の価額に、事業期間の開始時点の棚卸資産の評価額を加え、事業期間の終了時点での棚卸資産の評価額を差し引きくことで行います。

この売上原価の計算の際に、棚卸しの評価が必要になります。

なお、この売上原価は、その事業期間に発生した売上総額から差し引き、大元の利益である売上総利益を計算する際に使用します。

売上総利益から、各種の損益を加減し、所得税の計算の基礎となる当期純利益を計算します。

棚卸資産の評価の原則について

棚卸資産の評価は、原則として、その取得価額により行います。

取得価額とは、商品や原材料等の棚卸資産を購入する際に、その仕入れ先に支払った代金の金額のことを言います。

ただし、商品等の仕入れには、買入事務に要した費用、運送費、荷造費等の付随費用が発生しることが通例です。

これらの付随費用は、原則として、棚卸資産の評価の際に、その取得価額に含めなくてはなりません

例えば、商品500万円を仕入れる際、その仕入れの付随費用として買入事務費が5万円、運送費が10万円、荷造費が10万円が発生したとします。

その場合、この商品の取得価額は500万円+5万円+10万円+10万円=525万円となります。

購入した棚卸資産の取得価額に含めなくてよい付随費用について

国税庁の通達では、次のような棚卸資産の購入の際に発生する付随費用は、その価額が棚卸資産の購入価額のおおむね3%以内である場合に限り、棚卸資産の取得価額に含めなくてよいとされています。

(1)買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用
(2)販売所から販売所への移動に要した運賃や荷造費
(3)特別な時期に販売するための長期の保管に要する費用

また、以下に掲げる費用については、棚卸資産の取得又は保有に関連して支出するものであっても、その取得価額に含めないことができます。

(a)不動産取得税の額
(b)地価税の額
(c)固定資産税及び都市計画税の額
(d)特別土地保有税の額
(e)登録免許税及びその他登記や登録に要した費用
(f)借入金の利子の額

仕入れ付随費用を棚卸資産の取得価額に含めるかどうかの判断基準について

本来は棚卸資産の取得価額に含めるべき上記の付随費用を、取得価額に含めないで当期の費用として計上した場合には、その分、当期利益を圧縮できますので、法人税や所得税の節税につながります。

ただし、それらの付随費用を棚卸資産の取得価額に含めた場合には、翌事業年度以降にその棚卸資産が販売された場合に、その期間の売上原価(費用)が付随費用の分だけ大きくなり、その期間の利益を圧縮します。

よって、付随費用を取得価額に含めないことは、翌期以降の費用を当期に早めて計上することを意味します。

よって、仕入れの付随費用を取得価額に含めないことが可能な場合で、それを含めるか含めないかを判断する基準としては、例えば、当期が赤字であれば、付随費用を取得価額に含め、当期が黒字であれば、付随費用を取得価額に含めず当期費用として計上する等、会社の利益の見込みを基準に判断することになります。