Money 1235658 640

会社を設立した場合、役員報酬の決め方を知っておくことは非常に重要です。
役員報酬に関する正確な理解がないと、法人税に関して大きな損失を被る場合があります。
そこで、以下では、この役員報酬について解説します。

役員報酬における役員とは

役員とは、法人の取締役、理事、監事、執行役、清算人等のことを言います。
会社はこの役員に対してその役務の対価として金銭等を支払うわけですが、その金銭等を、一般の従業員に対して支払う給与に対比して、役員報酬といいます。

役員報酬については、平成18年の税制改正までは、法人税法上損金として認められておりませんでした。

しかし、同年の改正により、一定の要件を満たす役員報酬については、税法上損金として扱うことができるようになりました。

役員報酬と一般的な給与はどう違うのか

一般の従業員に支払う給与については、問題なくその全額を経費扱いとすることができます。

しかし、役員報酬については、会社がその金額を自由に設定して法人税逃れに利用される可能性を否定できないため、一定の要件を満たしたもののみ、損金扱いできるとされています。

例えば、A株式会社のある事業年度の売上から仕入原価と人件費以外の経費を控除した利益が1,000万円だったとします。
この場合、従業員に対して給与として1,000万円を支払った場合、会社の手元には全くお金が残りませんから、法人税が0円でも問題はありません。

しかし、A社の役員に対してこの1,000万円を役員報酬として支払った場合、帳簿の上では、会社の利益は0円となりますが、会社と一体の立場にある役員が1,000万円を取得しますから、実体的には会社が1,000万円を取得する場合と同視でき、それに対して法人税がかからないとするのは大きな問題です。

そこで、会社が支払う役員報酬については、一定の要件を満たしたもののみ税法上の損金として経費扱いを認め、役員報酬の支払を利用した税金逃れが行われないような仕組みとなっています。

法人税法上損金扱いできる役員報酬とは

さて、法人税法上損金扱いにできる役員報酬は次のようなものです。

(1)1ヶ月以下の期間ごとに定期に支払われる給与で、その事業年度の各支給時期における支払額が同一なもの

(2)役員の職務、支給時期、支給額等を事前に税務署の届出て、その届出に基づいて支払われる給与

(3)利益に関する指標を基礎として算定される給与で、一定の要件を満たすもの

(1)を定期同額給与、(2)を事前確定届出給与、(3)を利益連動給与といいます。
なお、役員に支払われる賞与に関しても、一定の要件を満たした者に関しては、税法上損金扱いとなります。

役員報酬額の設定は慎重に行う必要がある

役員報酬を損金とするためには、事業年度の開始後3ヵ月以内に、その事業年度の各支給時期に支払う役員報酬額を決定し、その決定額と同額の報酬を各支払時期に支給しなくてはなりません。
一度決定した報酬額は一定の例外を除き、変更ができません。

事業年度の開始後3ヵ月以内に、その事業年度の利益予想額から適正な水準の報酬額を計算しなければなりません。
期末になって、利益額が予想を大幅に上回ったからといって、役員報酬を大幅に引き上げても、それまでに支払ってきた各期の報酬額を超える分は損金とはなりません。
よって、事業年度末の利益額を正確に予想して、事業開始時点における役員報酬額を設定することが節税につながります。

反対に、事業末時点での利益の予想を間違えると、不必要な利益額を計上して、必要以上に法人税の支払いが必要になる場合もあります。
期首における役員報酬額の設定は慎重に行う必要があります。